サークルでの学びは教師の骨組みをつくる サークル

授業が成立しなくなる

いまから30年前。
新規採用1年目の私は、4月初めの初任者研修を終え、期待いっぱいに新年度の始まりを迎えました。
授業開きには自己紹介をしました。生徒たちは集中してきいていました。
「なんとかなる」と思いました。
授業が進むうちに、生徒はつまらなそうな顔をし、おしゃべりを始めました。
一方で発問をすると黙ってしまいます。
話を進めるとまたおしゃべりが始まるのでした。
その繰り返しで、2学期後半には授業が成立しなくなっていきました。

「授業の腕をあげる法則」との出会い

とにかく授業をなんとかしたいと思い、書店で本をさがしました。
小さな書店の隅のわずかな教育書コーナーで、吸い寄せられるように手にしたのが、

「授業の腕をあげる法則」(向山洋一著)

でした。
教員養成大学でも教わったことのないことばかりが書いてありました。
書いてあるとおりにやってみると、生徒の動きが変わったのです。
そこから関連の本を片っ端から読みました。
セミナーにも出かけました。
たくさん学んで授業がうまくなった気がしました。
しかし、本に書かれていないことは依然としてうまくできません。
書いてあることでもうまくいかないことがありました。
なんとかしようと、さらに本をさがしセミナーに出かける日々でした。

サークルへのお誘い

セミナー案内のハガキに「サークルに来てみませんか?」とお誘いが書かれるようになりました。
セミナー会場でも直接お誘いを受けました。
それでも本とセミナーの学びだけを続けました。
本やセミナーで学んだことと、自分が考えてやることでは、明らかに生徒の反応が違いました。
自分が考えたものはうまくいかなかったのです。

8年

雑誌の原稿依頼が来ました。
社会科研究の機関紙でした。
どうにか書き上げたが、出来が心配でした。
サークルの案内に「原稿の検討もやっている」と書いてあったことを思い出しました。
思い切って検討をお願いし、メールでデータを送りました。
(当時はサークル例会の場所と自宅が離れていて、文書だけの参加をすすめられていたのです)
FAXが返送されてきました。
サークル例会の検討を経て、いたるところにら修正の書き込みがしてありました。
「あれもこれも書きすぎ」というアドバイスがいちばん響きました。
基本を勉強する必要を痛感した瞬間でした。
本とセミナーだけでは得られない学びの場があることを実感しました。
サークルの例会に出てみようと思いました。
「授業の腕をあげる法則」と出会ってから8年が過ぎていました。

細やかで具体的な学び

勇気を振り絞って例会に出た私を、サークルのみなさんはあたたかく迎えてくださいました。

声の出し方
生徒の発言の対応
指導案の書き方
資料の作り方など

毎回授業のことを
具体的に教わりました。
「明日の参観授業をどうにかしたい」というニーズにも、すぐに役立つアドバイスをいただいきました。
毎回学級通信の交流があり、実物で書き方を学びました。
授業だけでなく、職場の悩み、家庭の悩みなども相談に乗ってくださいました。
ときには手紙の書き方、メールの書き方、異業種の方と会うときの作法も学びましだ。
本やセミナーだけでは得られないことが具体的に学べる。
それがサークルです。

宝くじで当たるくらい巡り合わせ

定期的にあるサークルの例会を基礎に、さらに本やセミナーで学ぶ。
いつしか学びのスタイルが変わっていきました。
サークルで志を同じくして学ぶ仲間をもつことは「宝くじで当たるくらい」貴重です。
学びの場を求めている方は、せひお近くのサークルをさがしてみてください。
どこでもあたたかく迎えられるはずです。

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